仕事ができる人はなぜオールデンを履いているのか?
今日はいつもとは異なるカットでオールデンを語っていきたいと思う。
仕事ができる人はなぜオールデンを履いているのか?もちろんオールデンに限らないが、仕事ができる人はジョンロブ、エドワードグリーン、チャーチなどきちんとした靴を履いている。
そしてお洒落は靴からとはよく言ったもので、靴にこだわっている人は時計や鞄はもちろん、スーツやシャツにも当然こだわっている。
当ブログがオールデンスタイルとして、オールデンを中心としたファッションスタイルについて提言しているのも大きな理由がある。
オールデンを履くだけではただの靴好きなおじさん
正直、ただ単にオールデンを履くだけでは、ただの靴好きなおじさんで終わってしまい、オールデンの良さを100%引き出せない。だからこそオールデンに何を合わせていくのか、トータルコーディネートをどうするかを私は最重要視しているのだ。
ファッションのトータルコーディネートを考えるということは経営学で言えば戦略論、組織行動学、人材資源管理の科目に通じる。いかに限られたリソースでファッションとしての全体最適を図るのかという課題と同じだ。
ここで経営学の話を二つしよう。
1.メラビアンの法則:結局人は見た目が大切?
経営学の世界では非常に有名なメラビアンの法則。あなたも聴いたことがあるのではないだろうか。これはプレゼン等を駆使して人を動かすとき、組織を動かすときに重要なポイントを定量的に示したものだ。
- 見た目などの視覚情報:55%
- 口調や話の早さなどの聴覚情報:38%
- 話の内容などの言語情報:7%
驚いたことに見た目や口調など外見的なものが90%以上の影響力を与えており、話の内容はわずか7%に過ぎない。
つまり、人を動かすとき、組織を動かすときには、「働きかける人の外見」が非常に重要な役割を果たすのである
2.影響力の武器:権威付けの重要性
次に、「影響力の武器」というアメリカを代表する社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏の著書を紹介しよう。彼は人に影響力を与え、組織を動かしていくのは6つの力が大切と述べている。詳細はここでは割愛するが、その中の非常に大きな一つに「権威付け」というものがある。
- ミシュランの星付のレストラン
- MBAホルダのコンサルタント
- 朝廷の勅命
上記の例は、権威付けの象徴だ。
例えば、ミシュランの三ツ星レストランであれば「きっと美味しいだろうから行ってみようか」と思うし、挙句の果てには万が一美味しくなかったとしても、自分の舌がおかしいのではないか?と逆に自己嫌悪に陥ってしまうくらい権威付けがされている。
更に幕末を思い起こせば、西郷率いる薩長軍は時の朝廷から大きな権威付けをされ、錦の御旗を掲げて官軍となり、徳川は逆賊とみなされて一気に敗走するに至った。
つまり、人は権威付けされたモノやヒトに対しては否応なしに従ってしまうのだ。これは心理学として証明されている。
お洒落が与える極めて大きな権威付け
そして実は「お洒落」というのも人を権威付けする極めて大きなファクターなのである。
あなたはこんな経験がないだろうか。
生まれて初めて一流メゾンの路面店に入りお洒落な服装をした店員から接客を受けた時を思い出してほしい。もしくは中学生のころ、初めて丸井に服を買いにいったときでもいい。
当時の自分よりも圧倒的にお洒落なショップスタッフから接客を受けるとき、ちょっとした威圧感を感じなかっただろうか。そしてその人の勧めるものが良いものなんだという思い込みがなかっただろうか。
それはまさに「お洒落による権威付けされたヒト」により自分が動かされた瞬間なのである。
組織で仕事をする上でも極めて有効なお洒落による権威付け
そしてこの心理を優秀なビジネスマンは巧みに利用しているのである。
仕事をしていく上で、特に組織で大きな仕事を進める上では、様々なステークホルダを巻き込み、自分以外の人の力を引き出していく必要がある。
仕事ができる人は、そのために様々な「権威付け」を駆使して、人を巻き込み、動かしていく。
仕事上の権威付けには「MBAホルダ」「海外勤務経験」「政治家等との人脈」等、様々なものが考えられるが、お洒落による権威付けは実はそれ以上に極めて大きな力を発揮する。
逆説的に言えば、自分に指示をしてくる上司が例えMBAホルダだとしてもダボダボのスーツを着て、ギョーザ靴を履いていたら「あー、なんかこの人勉強しかしてこなかったのね。かわいそうな人だなぁ」という気持ちが先行し、そもそも話が入ってこない。
一方、お洒落で素敵な格好をした上司が素敵な口調で仕事のインストラクションをしてきたら、部下は一生懸命頑張ろうと思う。
企業のトップや幹部は世界中どこに行っても例外なく全員お洒落
当然、人は中身であるし重要なのは中身に決まっている。それは間違いないし、異論は全くない。
しかしながら、様々な人を巻き込み、動かしていかなければならない仕事ではお洒落による権威付けは非常に重要だ。
私は海外も含めて様々なエグゼクティブの方と会議や会食を重ねてきたが、世界中どこを見渡しても企業のトップや幹部は例外なく全員お洒落で身なりがきちんとしている。
それは人を動かし、組織を動かし、企業を経営するためにお洒落は非常に重要なファクターということを知っているからだ。
仕事のためにお洒落に投資しよう!
そう、仕事のために英語や資格、はたまたMBA取得などに自己投資したり、ネットワーキングの会合に出席し人脈を形成したりするのと同等に、いやそれ以上に重要なのが、お洒落に投資することなのである。
別に、きちんと磨かれたオールデンの靴を履き、ミリ単位で調整されたボリオリのスーツを着なくてもいい。ジョンロブでビスポークした靴を履かなくてもいい。
ただ、お洒落に投資することは仕事をする上で当たり前のことだし、仕事ができる人はみんなそうしているのである。
少しドキッとしたそこのあなた。
今からでも遅くはない。今すぐオールデンかジョンロブを買った方がいい。
そしてそれに合うコーディネートを少しずつ揃えていくべきだ。