2. 処女作である
AF1はAdam Knottの処女作である。
今からそれほど遠くない昔、オールデンは全てカタログベースのモデルしかなかった。
カスタムオーダーでコードバンの色を自分で決めたりすることはできたがモデルはプレーントゥ、ウイングチップなど定番のものから選ぶ形が原則であった。

https://www.stitchdown.com/brands/alden/alden-history-vintage-alden-shoes-catalog/
ショップの別注モデルが雨後のタケノコのように出てきている現在と比べると隔世の感があるが、昔はそれが常識だった。
その常識を打ち破ったのがAlden of Carmelが世の中に放ったAF1である。

ALDEN AF1
つまりAF1はその後100種類以上リリースされるAFシリーズの処女作であると同時に、オールデンに存在する全ての別注品の処女作でもある。

ALDEN AF1
オールデンの歴史に紀元前とその後があるとすれば、時代を完全に分けた作品がAF1と言える。
現代オールデンの母となったAF1は1996年にリリースされた。
今から24年前のことである。
後から振り返れば”その時歴史が動いた”と簡単に把握できるものだが、実際にその渦中に身を置いていたらその出来事を的確に捉えることは難しい。
実際にAF1がリリースされた時もデビュー当時は静かなスタートを迎え、大きな人気になることもなかった。
その後の人気は歴史が証明しているが、カタログベースのオールデンを見慣れたオールデンファンにとって、AF1は奇抜なモデルにしか見えなかったかもしれない。
そんな時代背景の中、AF1を世の中に放ったAlden of Carmelの功績はあまりにも大きい。