「Shogoさんと、オールデンの話をする」の後編です。
後編はお気に入りのモデルやオールデンの永遠のテーマでもある皺入れの話をしました。
オールデンは本当に無数のモデルがあり好きなモデルも十人十色ですので、オールデン好きな方とこういった話をするのはとても楽しいです。
また、皺入れについてここまで議論になるのもオールデンならではの楽しみ方ですね。
皺入れについては最初にペンなどで皺入れの儀を行う派と、皺入れをせずに歩きながらナチュラルな皺を付ける派と大きく分けて二つの派閥があると思いますが、どっちも一理あって本当に興味深い話題だと思います。
記事の最後に皺入れについて少し追加で記載しましたので、ご興味がある方はぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは後半戦です。
アメリカ人は原則皺入れの儀をしないと言われています。しかしオールデン家には代々伝わる皺入れ用の伝家の宝刀があると聴いたことがあります。
その伝家の宝刀と呼ばれる道具は「音叉」のようなU字型の形をしている鉄製のもので、それをコードバンのアッパーに添えて皺入れをするものです。
通常ペンなどで皺入れをする場合は1本ずつ皺を入れます。片足ごとに2回皺入れを行う必要があることから、平行にならなかったり、1本目と2本目の幅のバランスが悪かったりということが発生しますが、このU字型の道具を使うと1回で2本の皺が入ることから、とてもきれいな皺が入るそうです。
特に皺入れ成功の秘訣として、1本目と2本目の皺の幅を狭くするというものがありますが、その道具があると自ずと幅が決まってくるため、最初から皺入れの成功が約束されたようなものになります。
僕の記憶が確かならば10年以上前のBeginにその伝家の宝刀である道具が写真付きで掲載されていました。
事実、僕の皺入れ原理主義者的な発想はその記事に端を発することになります。
そして、年月が経ち、今は原則皺入れをしていません。
それは皺入れをしないTuckさんの影響を大きく受けていることと、皺入れをしない方がナチュラルで好みの皺になるという成功体験からです。
写真が残っていれば別の記事でご紹介しますが、僕の愛するカラー8のVチップは皺入れをしませんでした。結果、左足はきれいに入ったものの、右足の皺はとても醜い皺になってしまいました。皺が綺麗に入らないと途端に履く気が失せます。売ってしまおうかと思いましたが、僕は基本的に一度手に入れたら時間がかかっても大切に履いていきたいと思っているので「たまにはこの醜いVチップを履いて行ってやるか」と不定期ですが少しずつ履いていました。
するとその醜い大きな皺をまるで絹の糸を使って美しく描きなおしたような素晴らしい皺に育っていくのです。
これには本当に驚きました。
こういった体験はオールデンの奥深さを改めて実感すると共に、人生の教訓にもなります。
少し失敗したとしても、決してあきらめず、自分の正しいと思ったことを続けること。オールデンと同じようにきっと人生も美しくなる。
Shogoさんとの対談は本当に楽しく、素敵な体験でした。
またいつの日かこういった体験ができると良いなと思っています。