ALDEN Modified Cigar U-tip
2年ほど前、ラコタハウスの丸の内店がオープンした際にリリースされたモディファイドラストのUチップ。
リリースされた時もその美しさにため息が出たが、2年近く経っても尚、美しさは色褪せない。
改めて見ると本当に芸術作品のように美しい。
当時、モディファイドウイスキープレーントゥもリリースされ、どちらを選択するか大いに悩んだ記憶がある。
「最初はウイスキーコードバンの華やかさ、希少性からウイスキープレーントゥを選びたくなるのが人情というものだが、時が経てばモディファイドシガーUチップがそれに勝るときが来る」と思っていた。
そして2年の月日が経ち、どちらが正解だったか改めて自分に問い直してみれば、やはりモディファイドシガーUチップを選択して正解だった。華やかさ、美しさ、色気。そのすべてを持ちながら靴として完成している。
実はそんなオールデンは少ない。
モディファイドラストのオールデン
このオールデン。特筆すべきはモディファイドラストを使っているということである。
僕はオールデンの中でもモディファイドラストが一番好きだ。
これほど美しいラストはこの世にない。
大きくくびれたウエストライン。豊かなトゥとヒール。
見た目は華やぐ色香そのものだが、足を入れると包み込まれるような母性を感じる。
外見も美しく、心優しい女性。そんな存在に勝てるものなどあるだろうか。
レアカラー
オールデンはレアカラーがもてはやされる傾向にある。僕もレアカラーが大好きだし、それは仕方のないことだと思う。
だけどレアカラーなら何でも良いとは思わない。例え貴重なウイスキーコードバンを使っていたとしても「これはちょっと無い」というモデルも多く存在する。そうしたオールデンと美しく磨かれたカラー8のモディファイドVチップであれば僕は後者を必ず選ぶ。
オールデンは組み合わせが無限にあり、組み合わせ次第では歴史に残る作品にもなるし、駄作にもなり得る。
そして僕はこの作品はオールデンの歴史に必ず名を残すと信じてやまないのである。
モディファイドラストのオールデンは本当に美しい。
ピアノだけを愛し、生涯美しいピアノ曲だけを作り続けたショパン。
モディファイドラストのオールデンだけを愛することは、決して交響曲やオペラを作らなかった彼に通ずることかもしれない。
そしてそんな生き方も素晴らしいと思うのである。