僕の愛するモレスキンのノート
15年以上も愛しているモレスキン
僕はモレスキンのノートをこよなく愛している。最初はかの有名なノーベル賞作家であるヘミングウェイや画家のゴッホが使っていたからという極めてミーハーな理由からだった。
しかし実際に使っているうちに、その使い勝手の良さや美しい見た目や質感、そして極めて完成度の高いサイズ感に見事にハマり、もうかれこれ15年以上使っている。15年で使ったノートはゆうに50冊。そしてそのノートを全て残しておいたのだが、3年前の異動の際、全て破棄してしまった。
モレスキンタワー
実はその後、モレスキンタワーという言葉を知り、破棄したことを激しく後悔した。せめてモレスキンタワーの写真を撮っておくべきだった。おそらく日本でも有数の高さのタワーになっていたはずだ。
しかしその後3年ほど経ち、モレスキンのノートがいくつかたまってきて、タワーとは言えずとも低層マンションくらいは重ねられるようになったため、モレスキンの記事を書くため筆をとることにした。
モレスキンノートの種類
モレスキンノートは様々な種類がある。大きく分けてサイズ、素材、そしてノートの柄である。
モレスキンノートのサイズ
サイズは3種類ある。ポケット、ラージ、そしてエクストララージだ。右がポケットサイズ、左がラージサイズである。
基本はラージサイズを使おう
僕は原則ラージをサイズを使っている。このサイズが一番使い勝手が良い。
手のひらサイズでありつつも書くスペースが大きい。
ラージサイズはA4の半分の大きさ程度だ。そのため会議でA4の資料が配布されたとしても、資料を半分に折ればちょうどモレスキンのノートに挟むことができる。こんな風にノートを閉じるゴムがあるため、ペンや資料を挟み込むことが簡単にできるのだ。
打ち合わせの合間にトイレに行くこともあるだろう。そんな時にもスーツやジャケットのポケットにぴったりと入るため、ノートを汚さずにすむ。
ボリオリのドーヴァージャケットやハンプトンのスーツににしっかり入る。
出張などにはポケットサイズが重宝する
ポケットサイズも極めて重宝する大きさだ。
出張など荷物を減らしたい時や机がないときに役に立つ。ポケットサイズと命名された通り、スーツの内ポケットにぴったりと入る。
文字を丁寧に書けば十分に記載の容量もある。なによりスマートだ。iPhone7と比べてもほとんど同じ大きさである。
だから、僕は職場ではラージサイズを使い、出張時などにポケットサイズを使う。
モレスキンのノートの素材
ハードカバーかソフトカバーかそれが問題だ
次に素材だ。モレスキンノートは表面は革で覆われており、その革がハードかソフトの違いがある。モレスキンのノートのスタンダードはハードカバーだ。しかし僕はソフトカバーの方を強くオススメしたい。
僕がソフトカバーを強くお勧めする理由
まずソフトカバーは手触りが素晴らしい。さらにはこんな風に美しく開く。ハードカバーの場合はこういったしなやかな動きにはならない。
そして僕がモレスキンのソフトカバーを強くお勧めする理由はこんな風にノートにペンが挟めることだ。
このペンが挟めるというのは機能的に極めて重要だ。モンブランのボールペンなどはスーツの胸ポケットに挿してアクセントにすることも多い。
しかしながら昨今はクールビズで5月から10月まではジャケットを着ないことも多いだろう。シャツに胸ポケットがあれば良いが、僕たちがこよなく愛しているバルバやフィナモレのシャツには原則、胸ポケットがない。すなわち夏の期間は大切なモンブランのボールペンを挟むところがないのだ。
そこで僕は夏の間、モンブランのボールペンをモレスキンのソフトカバーの中に挟むことにしている。ソフトカバーで優しく挟んでゴム紐で閉じることでモンブランのボールペンがすっきりと収まる。なんといってもモレスキンのノートとモンブランのボールペンは最高のマリアージュだ。インコテックスとオールデンのように文房具でもこうしたコーデを楽しみたい。
これでボールペンが落ちることもなく、紛失する心配もなくなるだろう。
ハードカバータイプの場合
一方でハードカバーの場合はどうか。実際にモンブランのボールペンを挟んでみるとこうなる。
ハードカバーはその名の通り表紙が硬く、ボールペンなどを挟んだ場合はゴムで閉じてもノートが閉まらない。これではペンと共に挟んだ資料が落ちてしまうかもしれない。そして何より挟んだ時の画が美しくない。
ハードカバーとソフトカバーの比較
比較すると一目瞭然だ。ハードカバーにはモンブランのボールペン。ソフトカバーにはラミーの万年筆。ラミーの万年筆の方が太いのにも関わらず、ソフトタイプカバーのモレスキンはそれを優しく包み込む。
もちろんハードカバータイプにペンケースを使ったって良い。僕もモレスキンのハードカバータイプにフェリージのペンケースを使うこともある。
ハードタイプは見た目も美しい。
でも僕はできる限りシンプルにそして豊かに生きていきたい。そう、僕の愛するモンブランを生でモレスキンのソフトカバーに包み込んでもらうのが一番シンプルで豊か。そして気持ちが良いのだ。
あなたも是非手触りの極めて良い柔らかいソフトカバーのモレスキンに包まれてみて欲しい。
モレスキンのノート柄
そしてモレスキンのノート柄だ。プレーンタイプとドットタイプ、ルールドタイプ、スクエアタイプがある。
僕はRuled Notebookをセレクトしている
これは完全に好みの世界なので自由に選んでもらえれば良いと思う。僕は気分によって変えることもあるが、基本的にはルールドタイプ ”Ruled Notebook(横罫線タイプ)"のもの使っている。
昔からノートの線に沿って文字を書くタイプではないので、罫線にそって書くわけではないのだが、この線すらないと縦横無尽に僕の字が踊り出してしまう。せめてもの心の拠り所としてルールドタイプを選んでいる。
モレスキンのすべてのノート柄
参考までに全てのノート柄をご確認いただこう。これらの中から自分の好みを選べば良い。
MOLESKINE Dotted Notebook(モレスキン ドット ノート)
モレスキンのドットタイプのノートブック。少し珍しいタイプだがオシャレで使いやすい。青いカバーが目印だ。
MOLESKINE Squared Notebook(モレスキン スクエア ノート)
モレスキン スクエア ノートブック。方眼ノートである。いわゆるロディアのノートで使われているタイプといえばわかりやすいだろう。僕もロディアのノートもよく使っているが、ロディアユーザには極めて使いやすい。黄色いカバーを目印にしよう。
MOLESKINE Plain Notebook(モレスキン プレーン ノート)
モレスキン プレーン ノートブック。無地のノートだ。オールデンでいえばプレーントゥ。自由に自己表現をするにふさわしい。カバーは自然を愛する緑色だ。
MOLESKINE Ruled Notebook(モレスキン ルールド ノート)
モレスキン ルールド ノートブック。僕が愛してやまないノート。小学校高学年の時に使っていた大学ノートと同じ感覚で使えて一番使いやすい。オレンジのカバーが目印となる。
モレスキンのノート、ベストチョイス
モレスキンのノートはすべて素晴らしいが、中でも僕が一番おススメするモレスキンのパタンはこれだ。
- サイズ:Large ラージ
- 素材:Soft ソフトカバー
- 柄:Ruled ルールドタイプ
モレスキンを15年使って出した結論であり、これを選べば間違いがない。
モレスキンの歴史
1997年にイタリアのミラノで創業
次にモレスキンの歴史を紐解いていこう。ヘミングウェイやゴッホ、そしてピカソなどがこよなく愛したと言われている。しかし実は創業は1997年とまだ20年程度だ。
そう実は現在のモレスキンはヘミングウェイやゴッホが愛したノートを丁寧に復元したものなのだ。
原型はフランスの小さな製本業者から生まれた
実際にヘミングウェイが使っていたノートはフランスで生まれた。フランスの小さな製本業者が1800年代に創りあげた伝説のノートだった。
- 丸い角を持つ黒のシンプルな長方形
- ノートを束ねるゴムバンド
- そして内側のマチ付きポケット
これらの特徴を持つ無名のノートは世界中の芸術家や作家に愛されていた。彼らはパリを訪れてはこのノートを買っていった。そして彼らはこの無名のノートと旅し、物語を刻んでいったのである。
モレスキン社は伝説のノートを忠実に再現
モレスキン社はこの無名のノートを忠実に再現した。彼らが旅したルートをたどりながら、彼らが無名のノートに惹かれた理由を考えながら。そして現在の技術を使って創りあげたのがモレスキンのノートなのだ。
そんな歴史や物語に触れるだけでモレスキンの魅力に包まれていく。たった20年でモレスキンが世界中から愛されている理由が非常によくわかる。
デジタル全盛の時代だからこそ手にしたい
正直デジタル全盛のこの時代。ノートに文字を書く頻度は極めて少なくなった。職場の自席はもちろん、会議中でもノートPCやiPadを使う。プライベートでもiPhoneでフリック打ちで文字を書いたり、音声認識を使う。この文章を書くのはiPhoneにbookeyで打ち込んでいる。
だからこそ、ノートに文字を書く頻度が極めて少なくなった今だからこそ、良いノートを使いたい。ここぞという時にモレスキンのノートとモンブランのボールペンを使うべきなのだ。
僕はiPhone Xが出たらすぐに買うし、iPadもMacBookもこよなく愛している。フリック打ちも女子高生並みに速いし、Windowsマシンのキーボードは人間工学のキーボードを使っている。
でも考え方は結構古い。保守的な古臭い人間だと思う。
打ち合わせで若い世代のメンバーが僕が話している言葉をノートPCで懸命にメモをしている。もちろん悪い気はしない。しかしノートPCでキーボードをパチパチされるよりは、しっとりとしたモレスキンのノートにモンブランのボールペンで一生懸命メモをしてくれた方が何倍も嬉しいのだ。
もちろんノートPCのキーボードを叩いた方がよっぽど効率的だ。
でも、人生効率だけを求めても豊かにはならない。少し非効率的だってモレスキンのノートにモンブランのボールペンを使った方が心地よいし、たとえ雨に弱くとも、手入れが大変だとしても、オールデンの靴を履いた方が人生はより豊かになる。
まとめ
デジタル全盛の時代だからこそ歴史に裏付けられた美しいものを大切にしたい。少しくらい非効率だとしてもモレスキンのノートはきっとあなたの人生をより豊かにしてくれる。そう、それがモレスキンの本当の使い方なのだ
僕はモレスキンのノートはいつもAmazonで並行輸入品を買っている。種類が豊富で価格が安いからだ。日本の代理店を通したものだと3000円以上するが、並行輸入品であれば2000円前後で購入できることが多い。並行輸入品は品質が悪いなどといったレビューも多いが、僕は両方使った経験上、並行輸入品の品質が悪いと思ったことは一度もない。なお、モレスキンのスタンダードであるハードカバーはいつでも買えるが、ソフトカバーは数が少ないため見つけたら早めに購入することを強くお勧めする。僕は入荷するまで最大半年待ったこともある。こちらが僕が一番おススメしている「ソフトカバー」「ルールド(横罫線)」「ラージサイズ」のものだ。
そしてこちらがポケットサイズ。ポケットサイズの場合、僕は縦に開く形が好きだ。この形はリポータータイプと呼ばれており、出張の時などに極めて使い勝手が良い。ジャーナリストの方にこよなく愛されている形だ。
なお、世界で一番愛されているモレスキンがこれだ。「ハードカバー」「プレーン」「ラージサイズ」でヘミングウェイやピカソが使っていたのはおそらくこのタイプだ。初めてモレスキンを手にする方はこちらを選択するのも面白い。