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美女と野獣 実写版、ディズニーが生んだ奇跡の物語

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美女と野獣 実写版

美女と野獣を観た。先日公開された実写版だ。

Quote:disney.co.uk

ディズニー映画史上に残る最高傑作、あの美女と野獣の実写版というだけあって否が応でも期待をせずにはいられなかった。

これ以上できないというくらい期待をして観たこの映画は僕の期待を遥かに超えた。想像を絶する感動。身体の中の細胞が全て入れ替わったのではないかというくらい魂が震えた。

映画館に行ってから既に一週間程経つがまだ気持ちが高ぶっている。この気持ちを落ち着かせるためにその想いを綴っていこうと思う。

美しい世界観で描かれた美女と野獣

1991年に公開されたディズニー映画、美女と野獣。

いまから26年前に生まれたこの映画はディズニー映画の全盛期、リトルマーメイドから始まる一連の作品の中でも圧倒的なクオリティと完成度で高い人気を誇った。

魔女の呪いによって醜い野獣の姿にされ、心を固く閉ざした王子が美しく心優しいベルに出会い、少しずつ素直な心を取り戻していく。野獣の恐ろしい姿、傲慢な態度を拒み続けていたベルも野獣が本来持つ美しい心に触れ、思いがけず心を通わせる。やがて心惹かれ合い、愛し愛されることで呪いは解かれ、野獣は美しい王子の姿に戻る。

そんな美しき純愛の物語に世界中が涙した。

完成されすぎていた美しい物語

しかし、この美しい物語の圧倒的な世界観はあまりにも完成されすぎていた。

18世紀にフランスで書かれた原作をベースとしたこの物語はディズニーを通じて人々の記憶に刻み込まれ、それぞれの美しい想い出とともに”完全にそのままの状態で”胸に仕舞われているべきものだった。

続編や実写版など、これ以上何かを加えたり新たな解釈を入れるべきではない。

それは一流のフレンチシェフが力を尽くして完成させた一皿に醤油をドボドボと入れて食べるようなものだ。

この純然たる物語に対する冒涜に近い。

パンドラの箱を開けたディズニー

ディズニーは自らそのパンドラの箱を開けた。

僕は驚いた。ディズニーは美女と野獣の完全なまでに完成されたその物語性を一番よくわかっているはずだ。実写版を公開することで、人々の心に刻まれているこの美しい物語、世界観を破壊する可能性が大いにあることを。

それでも実写版美女と野獣を公開に踏み切ったディズニー。

僕は確信した。これはものすごいことが起きると。圧倒的な自信がなければ絶対にディズニーはパンドラの箱を開けたりしない。だからこそ冒頭に述べた通り、これ以上できないというくらい期待をして映画館に行ったのだ。

スタッフの愛で大切に創り上げられた物語

そしてその大きな期待を遥かに上回る感動をした。魂が震え、しばらく席から立てなかった。

本作を創り上げたスタッフは全員が1991年に公開された美女と野獣、そしてその世界観を誰よりも愛していたにちがいない。

この物語を彩る重要なシーンは全て忠実に、そしてより美しく再現されている。物語のクライマックスである美女と野獣が手を取り合い踊るシーンなどは音楽やドレスはもちろんカメラワークまで完璧に再現された。

僕らの美しい記憶と世界観を決して壊さないように大切に大切に創り上げられたのだ。

物語を深く豊かに描く新たなシーン

いや大切に創り上げられただけではない。

あの1991年に作られた完璧なまでの美女と野獣の世界観、そして26年間かけて心の中で美化され続けた記憶を遥かに超える圧倒的な美しい映像と世界観がそこには繰り広げられている。

そして物語は野獣やベルの過去のシーンに遡る。彼らの子供時代を回想することで物語を深く、豊かに描いている。これは1991年版にはなかったシーンだ。新たな解釈を加えることで完成された物語をスポイルする可能性もあったはずだが、極めて自然に美しく完成された物語に組み込まれた。

僕らの記憶の美化システムはかなり強固にできている。年を重ねれば重ねるほど古き良き時代を想い出し正当化していく。だからこそ、1991年当時の美女と野獣を超えることはまさに奇跡だ。

ディズニーの起こした奇跡

その奇跡をディズニーは起こしたのである。

美女と野獣の世界観を実写で描ける技術が、時代がようやく追いついた、と一般的には言われている。もちろん科学の世界が魔法の世界をも描けるようになったことも大きな要因だ。しかし技術だけではこの圧倒的な世界観は創れない。この物語に対するスタッフの愛、アラン・メンケンが奏でる美しい音楽、そしてその音楽に合わせて美しく歌うエマ・ワトソンをはじめとしたキャスト、これらが全て完璧に重なり合うことで初めて美女と野獣の世界観は完成するのだ。

アラン・メンケンの音楽

美女と野獣の世界観に必要不可欠なのがアラン・メンケンの音楽だ。ディズニー映画全盛期を支えた伝説の作曲家アラン・メンケン。リトルマーメイド、アラジン、そして美女と野獣の主題歌でアカデミー賞を受賞するなど、これまで8度のアカデミー賞を受賞した天才だ。

彼の奏でる神秘的な音楽がなければこの世界観は決して完成しない。幼い頃からクラシックを学んだアランは美女と野獣の音楽を作曲する際に意識したのはシンデレラ、白雪姫のイメージ、そしてディズニーの本質である”ロマンティック”な音楽だ。

Unexpectedly

ベルが歌う詞の中にこんな一節がある。

"Barely even friends Than somebody bends Unexpectedly (拒んでいたのに思いがけず心を通わせる)"

こんなロマンティックな歌詞があるだろうか。自分でもどうしてそうなったのかわからない、”思いがけず”そうなってしまっただけだ。

恋に落ちるときはいつだって"Unexpectedly"なのだ。

エマ・ワトソン演じるベルの歌声から始まる物語

物語はエマ・ワトソンが演じるベルの美しい歌声から始まる。美しく小さな村の朝、彼女は村人たちと軽やかな掛け合いをしながら大好きな本の中に入り込み空想を深めていく。村人たちに風変わりだと揶揄され、粗野で無神経なガストンから妻になるよう求められる。

"I want much more than this provincial life(こんな生活よりもっと違う何かを手に入れたい)"

"I want adventure in the great wide somewhere I want it more than I can tell
And for once it might be grand to have someone understand(もっと自由で素敵な世界が私を待っている、私を理解してくれる人がいたらどんなに素敵かしら)"

こんなベルの心情をエマは美しく歌い上げるのだ。ハリーポッターのハーマイオニー役の印象が強い彼女だが、かわいらしい少女から、極めて美しい大人の女性に成長していた。当時のあどけなさと気の強さが少し残っていることで、自由で冒険心豊かなベルを完璧に表現した。

その後、Unexpectedly に野獣と心を通わせ、愛が芽生えていく。自由で冒険心豊かな彼女が自分の居場所を見つけた瞬間の彼女の表情、それは美しさとあどけなさを併せ持つエマにしか演じることはできない。

本作が1991年版を遥かに超える感動をもたらしたのはエマ・ワトソンのあの表情だ。

ルーク・エヴァンス演じるガストンのコミカルさと闇

そして実写版を語る上で欠かせないのがルーク・エヴァンス演じるガストンだ。粗野で無神経なガストンはベルから見れば理想の男性像からかけ離れているが、強く男らしくハンサムなガストンは村人たちから絶大な人気を誇る。

彼の持つコミカルさも手伝って物語の中盤にあるミュージカルシーンは1991年のそれを大きく超える盛り上がりを見せる。映画を見ながらガストンと一緒に足を鳴らしたくなる程に気持ちが高ぶる。

そんなガストンを演じたルーク・エヴァンスが見事だった。顔はもちろん、ガストンが誇る首の太さまでそっくりな外見、そしてベルに失恋し落ち込む表情。村人たちと飲み、歌い、踊ることであっという間に立ち直る姿。その後怒りの矛先がベルの父親、そして野獣に向かい、心が闇に堕ちていくあの姿はルーク・エヴァンス以外には演じきれないだろう。

ダン・スティーヴンス演じる野獣の優しい心

そしてもう一人の主人公である野獣はダン・スティーヴンスが演じた。1991年版の野獣は少しコミカルなところがあったが、本作ではしっとりと優しく演じられた。それがベルへの切ない想いを痛いほどに感じさせるのだ。美しかった王子が魔女の呪いで野獣の姿にされ、どれだけ苦しんだのか。ベルに出会い惹かれていく心、そして自分の姿を省みて自分を愛してくれるはずがないと絶望する姿は、本当に切なく目頭に熱いものが込み上げてくる。

彼はその醜い姿になったからこそ、そしてベルを愛してしまったからこそ、自分の心に素直になり、少年時代の美しい心を取り戻していく。

その素直で美しい心でベルと語り合い、やがては彼女の心の変化にも気がついていく。そして少しずつ心を通わせることで、愚かな夢と知りながらも彼女が愛してくれると信じるのだ。

そんな野獣の心の変化をダン・スティーヴンスは青い美しい目だけで演じ本作を極めて上質な作品へと昇華させたのである。

実写版 美女と野獣

実写版 美女と野獣、それは前作によって人々に刻み込まれた美しい記憶と世界観を遥かに超える圧倒的な世界。

美しい映像と奥行きのあるストーリー、そして物語を彩るキャスト、音楽。その一つひとつが前作を超える圧倒的なクオリティを持つ。

そしてその全てが重なり合い、手を繋ぎ合うことで紡がれる美しい物語。

実写版になることで、大人が一瞬でスクリーンの中に引きずり込まれ、感情移入できる世界が拡がっている。物語に心が震える。

ぜひ、大人にこそ見て欲しい。そしてあなたの奥にある素直な心に気づいて欲しい。

2017.5.4 Alden Style

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